空間デザインをする際には当然ライティング(照明計画)が重要になってきます。
ライティングというと大抵は「何にどのような光をあてるか」をまず一番に考えるのではないでしょうか。
もちろんそれは基本的なことではありますが、雰囲気をつくっていくうえで気にかけたいのが“影”と“素材”です。
まず“影”というのは言い換えれば“コントラスト”をどうつくるか、ということです。例えば、自分の周辺は真っ暗で遠くの壁が間接照明の光で光って見えれば、人の視線は自然と遠くへ伸び、空間の広さを感じ取ることができます。
明るくするところと暗くするところ、またその境目をはっきりしたりぼかしたり、コントラストを調整することによって空間の雰囲気というのは大きく変えることができます。
また、もう一つ気にかけたい光が素材の放つ反射光です。わかりやすいのはガラスや金属で、これらに照明を当てるとその反射光によってまた他の場所を照らしたり、映り込みによって意図しなかった明るさをもたらしてしまうことなどがあります。
明るい色はより多くの光を反射し、暗い色は光を吸収してしまう、といった色や質感による見え方もあります。
何かイメージと違う、もっと違った雰囲気にしたい、といったときは一度目を細めてみて、余計に明るくなっている部分を暗くして“影”をつくってみることから始めてみるとイメージする雰囲気に近づきやすくなるかもしれません。