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店舗の内装工事は”応用編”

カテゴリ:工事

一言に工事と言っても、大きな商業施設やビルを建てるような建築工事や、戸建て住宅やマンションを建てるような建築工事や、建物の中で行う内装工事や、インフラをつくる土木工事などまで、その種類は様々になります。

それらどの工事にもある程度のセオリーというものがあります。工事を進めるうえでの順序であったり、一般的な施工方法であったり、定められた寸法など、いわゆる基本という概念は存在します。

当然、全ての工事においてそのような基本はまず理解しておかなかればなりませんが、店舗の内装工事においてはそのほとんどが”応用編”となることが多いように思います。
あまり建物自体の構造に絡む内容が少ないため、工事の自由度が高いという言い方もできるかもしれません。

例えば何もないスケルトンの物件で店舗の内装工事を行っていく場合、まず何から進めれば良いでしょうか?
考えられる答えは無数にあります。厨房の防水区画の形成を先に進行するのであれば排水メイン管の取出しやブロック積みなどから始めるかもしれません。
天井の設備の吊り込みから先に進行するのであれば粗配線や空調機器の吊り込みなどから始めるかもしれません。
床のレベルが低い引渡し物件であれば先に床組みから始めるかもしれません。
またはそれらをごちゃ混ぜにして行っていくこともあり得ます。
下地を全て終わらせてから仕上げ作業に入っていくのがセオリーですが、例えば過去には工期が少なく天井高が7mくらいある新築ビル内のスケルトン物件の際には、全て床組みが必要であったり個室が多かったりで、先に床や壁を建てていってしまうと高所作業車などが使えなくなるため、先に天井を照明器具まで全て仕上げてしまい、高所作業に必要な仮設材などをほとんど引き上げてから床や壁の作業をしていくという工程で進めたこともあります。

作業をする場所だけでなく、資材置き場や使用する工具や、各業種間の連携など、ありとあらゆることをイメージして最もロスがなく確実な進行をつくりあげていくことは、ある意味デザインよりも発想力がいるのではないかと時々思います。

店舗の内装工事は自由度が高い分、いかに効率的にいかに柔軟に進めていくことができるか、それによってお店の最終形態は同じでも大幅に工期を短縮できたりする場合があります。
ただし、基本的な施工方法などを理解したうえでないと粗悪な工事によって後々の問題となってしまいますので、あくまで”基本編”の先にある”応用編”かと思います。

 

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