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こだわりの積み重ねが空気感をつくる

カテゴリ:デザイン

この仕事をしていると、プライベートでお店に入った際によく天井を見上げてしまうことがあります。
どうしてかなと考えてみると、天井には設計者のこだわりがハッキリと現われていることが多いからだと思います。

照明器具はお店の雰囲気をつくるうえで重要なファクターです。ですがその光が照らしたくないところを照らしていたり、妙な影をつくってしまっていたり、照明器具自体が何か邪魔に見えてしまっていたり。
天井や店内が暗い色なのにエアコンや換気扇のカバーが白色で妙に浮いていたり。
照明器具と他の設備の配置がバラバラであったり。
このような内容は天井を見ると一瞬でわかるので、その設計者がどのようなこだわりをもって店づくりをしているか、がよく伝わってきます。
もちろん予算のことなどもありますが、上記のようなことは予算にほぼ関係なくこだわれるところです。

天井を見てから店内を見渡すと、あ~なるほど。。と全体のこだわりがよくわかります。
そして多くの場合、そういった小さなこだわりの積み重ねでそのお店の空気感がつくれれていることに気が付きます。

今このコラムは開放感のあるとあるスターバックスコーヒーで書いているのですが、さすがスターバックス細部までのこだわりがとても良い空気感を生んでいます。
ショーケースとカウンターの腰のタイル目地が揃っている、壁のタイルもジャストな割付で中途半端に切ったりしていない、天井設備は色味も配置もバランスが良い、吊りメニュー看板の吊り金具もベースをうまく天井裏に隠してスッキリ見せている、
おまけに店員さんの笑顔や声のトーンもとても心地が良い。

などなど、お店によって見えてくるこだわりというのはたくさんあります。
設計も工事もそのようなこだわりを大事にしながら進めていくことで良い空気感というものが生み出せると思います。

 

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